今冬は「暖冬傾向」が気象庁の予報だ！その要因は北極圏にあり！

11月8日に二十四節気「立冬」を迎え、暦の上では冬に突入。

北日本や甲信地方からは、初雪や初氷、初霜といった冬の便りも届き、一気に季節が進んだ。

24日は台風27号から変わった低気圧と南からの暖かく湿った空気が流れ込み、全国的に雷を伴った激しい雨に。

南風の影響で気温が上がり、東北・北海道で15℃前後、九州～東海・関東甲信・北陸で20～23℃、沖縄では25℃以上の夏日に。

最高気温・最低気温ともに10月中旬～11月上旬並みとなっている。

気象庁が10月25日に発表した3カ月予報（11月～来年1月）では、冬型の気圧配置が長続きせしない「暖冬傾向」となる見通し。

世界気象機関の専門部会は8日、今冬の北極域は「暖冬」となる見通しを発表。

今年9月17日、北極域の海氷域面積が年最小値となる414.53万㎢を記録し、記録が残る1979年以降で3番目に小さくなった。

北極域では、過去35年間で夏季の海氷面積が3分の2程度に減少しており、気候変動の影響が最も顕著に表れている地域と言われる。

北極域の気温が上昇すると、上空の偏西風の流れが変わるが、今年は日本付近で北に蛇行している。

このため、強い寒気が日本付近に南下しにくい一方、南からの暖かい空気に覆われやすくなっている。

昨冬は、日本海側の降雪量がかなり少なく、特に西日本日本海側では統計開始以来最少となり、スキー場は雪不足に悩まされた。

今冬も、一時的に強い寒気が流れ込むタイミングはあるものの、東・西日本の日本海側では昨年並の降雪量となる可能性がある。

一方、太平洋側では低気圧の影響を受けて降水量が多くなり、降雪量は北日本で平年並か多く、関東で平年並となる見込み。

日本列島の南岸に沿い、房総半島沖で東へと流れる海流「黒潮」は、紀伊半島・遠州灘沖で南へ大きく蛇行することがある。

この「黒潮大蛇行」が17年8月から続いており、少なくとも20年1月半ばまで続く見込み。

黒潮大蛇行が発生すると、南岸低気圧が関東甲信に寒気を引き込みやすいコースをとることが多くなる。

17/18年の冬は、東京都心で4年ぶりに20cmを超える積雪を観測するなど、関東を中心に大雪となった。

今冬も南岸低気圧のコースによっては降雪量が多くなる可能性があり、特に1月末〜2月前半は広い範囲で大雪に注意が必要。

暖冬傾向とはいえ、一時的に強い寒気が流れ込むタイミングがあり、気温の変動が大きくなる。

最新の気象情報をこまめに確認し、体調管理などに注意するように。