大人になるにつれて減っていく…「褐色脂肪細胞」を皆さんはご存じですか？

褐色脂肪細胞の体温維持を目的とし、蓄えたエネルギーを燃やす働きがあります。

いわゆる太った体につく脂肪、白色脂肪細胞を燃やしてエネルギーに変えてくれる脂肪です。

「脂肪細胞」なんて何となくイメージの悪い名前を付けられてはいますが、実は太りにくい体質と深い関係があるのです。

この細胞の数は赤ちゃんの頃が最も多く、大人になるにつれてその４割に減ってしまいます。

赤ちゃんにこの細胞が多いのは体温調整機能の未熟さをカバーし、また病気にかかりにくいよう免疫アップが必要だからです。

面白いのは「脂肪」細胞なのに、余分なカロリーを消費してくれる細胞なんです。

褐色脂肪細胞は寒さの刺激を受けて白色脂肪細胞を燃やし、作ったエネルギーで体温を高め体温を一定に保とうと努めてくれます。

体が寒い状況にあると脳を勘違いさせる必要があり、さらにその働きをスムーズに出来る環境である必要があります。

寒さで刺激してやれば、いざ出番だとばかりに褐色脂肪細胞が活性化してくれるわけです。

脂肪燃焼効果のある褐色脂肪細胞ですが、その量や活性度には個人差があります。

褐色脂肪細胞の働きの強さには遺伝的な体質も大きく関わっていますが、訓練次第では細胞を活性化させて働きを強くすることも可能です。

短時間でもいいのです。細胞を活性化させ、減らさないためです。

褐色脂肪細胞は、心臓や腎臓の周り、首の周り、脇の下、肩甲骨の間といった限られた場所にしか付いていません。

褐色脂肪細胞は体の決まった部位にあります。首回り、肩甲骨に多くあります。

食べても食べても太らない、いわゆる「痩せの大食い」という体質の原因の一つは、褐色脂肪細胞の働きの差であると考えられています。

人体には温度センサーの役割をしている「小体」という組織があり、これを刺激するだけでも脳に「寒い」「温かい」と感じさせる事が出来ます。

寒冷刺激にさらされるとノルアドレナリンが分泌され褐色脂肪細胞内の血管が開き、血流が増加することで脂肪からグリコーゲンへの代謝を促進し、熱産生が起こります。

肩甲骨を風にさらすのはさすがに無理ですが、首や最も手軽な手だけでも寒さにさらすと効果があるようです。