”たった4分”で脂肪燃焼！「タバタ式トレーニング」が世界で流行中

いま世界で「タバタ・プロトコル」や「TABATA」などと呼ばれている「タバタ式トレーニング」なるものが流行している。

２０１３年にＮＢＣユニバーサル傘下の会社が着目し、欧米で販売されたトレーニングDVD。

イギリスではDVDが発売から半年で1万3000枚以上売り上げ、160か所以上のジムが採用。

「たった4分で肉体改造できる」との謳い文句でマドンナやグラミー歌手のキャリー・アンダーウッドも取り入れているという。

「タバタ式トレーニング」は、元々80～90年代の日本スピードスケートチームのヘッドコーチであった入澤孝一氏（現・高崎健康福祉大教授）が選手たちの強化に導入していたトレーニング。

このトレーニングを運動生理学的側面から分析し、田畑泉氏（現・立命館大学教授）が96年に論文として発表。

すると海外の雑誌に短時間で体を鍛える方法として紹介、健康志向の一般人にも普及し、大量の動画が投稿されるほど流行した。

タバタ式トレーニングは、20秒の高強度の運動と10秒の休憩を6～8セット、4分間繰り返すシンプルなトレーニング。

高強度の目安は、6セットの時点で最大心拍数（220-年齢　拍/分。20歳の人なら180拍/分）に達するやり終えたら疲労困憊するくらいのもの。

怪我防止のため、運動前のウォームアップと、運動後のクールダウンをそれぞれ10分ほど行う。

運動は腿上げやスクワットなどなんでもよく、20秒間に行うトレーニングの種類を多種多様にすることで無限の組み合わせを作り出すことが出来る。

「体脂肪減少」や「筋力＆代謝アップ」など、運動の強度を調節することで各自の目的に合わせたトレーニングを行える。

4分内でほぼ疲労困憊、ほぼ最大努力をすることが重要なハードなトレーニング。

20秒間の運動を自分の力最大限のパワーで休まず行うことで、1時間自転車を漕いだ時と同じ運動効果が期待できる。

簡単そうに聞こえるが、実際は回数を増すごとにキツさが増してきて「地獄の4分間」と表現する人もいる。

これにより持久力（有酸素性運動能力）と中距離能力（無酸素性運動能力）がアップする。

これを週4日6週続け、持久力が約10％、瞬発力が約30％向上し、5000m走のタイムが50秒短縮した被験者もいたというほど。

「アスリートにとっては記録向上などに結びつき、日頃運動不足なビジネスマン、脂肪を燃焼させたい女性にも効果的」。

また運動後12時間ほど続けてエネルギー代謝の高い状態を保ち、カロリー消費の促進、筋力や持久力のアップ、心肺機能の向上などあらゆる効果を得られる。

日本には昨年逆輸入されたばかり。まさに「日本初なのに日本人だけが知らなかったトレーニング」。

最近では健康雑誌の「１５年の健康トレンド予測」やテレビ番組などで紹介される機会も増え、国内の注目度も高まりつつある。

7月には、田畑氏が初めて体系的に解説した本『究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング』が、扶桑社から発売。

同書では、一般人なら健康増進から糖尿病予防などの「タバタトレーニング」のエビデンスと実践方法を詳しく解説している。

今後の展開について、田畑教授は「正しい理論と方法、体作りの本質をしっかりと伝えたい」と語っている。