一時期メディアがこぞってとりあげ、いまだにメリットばかりが注目される有酸素運動。でも、デメリットに目を向けてみると、明らかにダイエット向きではないです。
▽有酸素運動が悪い……わけではない!
▼メリットのおさらい
▼迷信、俗説
×有酸素運動しないと脂肪が燃えない
×有酸素運動は、無酸素運動に比べてカロリーの消費効率が良い
有酸素運動や筋力トレーニングをしたときも、その運動中だけにカロリー消費率が上がるわけではなく、終わった後最長2時間ほどは、普段じっとしているときよりもカロリーの消費率が上がっているのです。
出典効率的なカロリー消費の目安となる、運動後の過剰酸素消費量(1/3ページ):nikkei BPnet 〈日経BPネット〉
×有酸素運動で遅筋を鍛える
▼デメリット解説
1.オーバーワークになりやすい
カロリー不足の状況では身体の回復能力が低下するので、ランニングなど関節に負担がかかる有酸素運動はあまりやりすぎない方が良い。
運動と風邪のひき易さには関係があることが科学的に証明されています。
まったく運動をしない状態に比べて、「ほどほどの運動」をすると風邪をひきにくくなります。「風邪をひかないように体を鍛えよう」というのは本当なのです。
ところが、さらに運動の量や強度を増やしていくと、逆に風邪をひき易くなって、結局、運動をしない状態よりもかえって風邪をひき易くなってしまいます。
2.関節へのダメージが大きい
腸脛靭帯は、大腿骨(太ももの骨)の外側に位置し、膝を伸ばした時は大腿骨の前方に、曲げた時は後方に移動します。この移動の際に大腿骨外顆という骨の外側のでっぱり部分に靭帯ぶつかったりこすれたりします。膝の曲げ伸ばしをするたびにこすれて摩擦が生じるため、その回数が増えるほど炎症が発生しやすくなります。
出典膝の痛みの原因『腸脛靭帯炎(ランナー膝・ランナーズニー)』/特徴・症状・治療
腸脛靭帯炎は陸上競技の長距離選手に多く見られるスポーツ障害です。近年のランニングブームで市民ランナーが症状を訴えるケースが多くなっています。
出典膝の痛みの原因『腸脛靭帯炎(ランナー膝・ランナーズニー)』/特徴・症状・治療
3.食欲増進効果がある
2008年の論文。学生のカロリー消費量について調べた研究なんですが、長期間の有酸素運動を行っている被験者ほど、せっかく消費したカロリーよりも平均で100kcalも多めに食べる傾向があったんですな。
出典有酸素運動は逆に太りやすくなるんじゃないのか?という話 | パレオな男
4.除脂肪体重(筋肉)の維持にならない
ちょっと大げさな例
▽じゃあ、どうやって痩せればいいの!?
▼運動の前に、食べ過ぎをなんとかすべし
ダイエットの開始時点でいきなりたくさん有酸素運動を始めると、体重が落ちたとしても、自分の食事がどれだけ影響しているのか分からなくなります。運動量を増やしてヤセようと考える人は特に気を付けないといけないポイントです。
たいしてカロリーを消費するわけでもないデスクワークをしながら、毎日3食、大量のほかほかご飯を味の濃いおかずで貪り食ってデザートにプリンもいただき、10時と3時のおやつに脂肪と砂糖の塊を甘ったるい紅茶で胃に流し込み、夜食にラーメンをすすっている人が「食べないのは体に悪いから」なんて言ったら……。
▼筋トレの意義
筋肉を維持するには強度負荷を落としてはいけないことです。
出典第53回 筋肉を維持しながら体脂肪を減少させる! Nice Body Make・・・よもやま話/ウェブリブログ
▽総括
特に他のクラスに比べて筋肉量の少ないビキニの選手に顕著ですが、私はコンテストを控えた女性クライアントのカロリー摂取量を1日1500kcal以上に設定をすることはほとんどありません。ここまで来るとバランスの取れた健康的な食事を摂るのはほとんど不可能になってしまいます。そこで、健康的な食生活を維持しつつ減量を進めるために有酸素運動が必要になることがあります。