人が亡くなると、遺族が会葬者を呼んで通夜と告別式をし、火葬をするという一連の儀式=葬儀を行います。しかし最近ではこの葬儀を行わずに、火葬だけですますケースがあるようです。これを火葬式(あるいは直葬)といいます。最近になって登場した新しい形態の葬儀ですが、徐々に火葬式を選ぶ方が増えているようです。ではなぜ、火葬式(直葬)が増えているのでしょうか?
火葬式とは
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火葬式とは通夜式や告別式などの葬式は行わず、ごく限られた親しい方で火葬のみを行うことです。
出典葬儀をしないで火葬のみで見送る、火葬式(直葬)の費用相場や流れ|葬儀・葬式なら【よりそうのお葬式】
故人とのお別れは、火葬炉の前で簡単な形で行われ、火葬前に数分取るだけのケースもあるようです。
出典経験者に聞いた、直葬・火葬式のメリットとデメリット – はじめてのお葬式ガイド | いい葬儀
火葬式は、一般的に以下の流れで行われます。●遺体の搬送逝去とともに、遺体を搬送します。遺体の搬送先は自宅、または葬儀場など別の場所を決める必要があります。●遺体の安置搬送してから火葬を実施するまでの間、遺体を安置する場所が必要です。自宅に安置しない場合は、安置場所を考える必要があります。 ●納棺納棺の儀式を行います。一般的に納棺を行う際には末期の水、湯灌、死化粧、死装束への着替えなど一連の儀式を行った後、遺体を棺に納めますが、火葬式ではそれらを全て省略し、臨終時の姿のままで納棺する事も多いようです。●火葬遺体を火葬します。火葬にあたって、火葬場で導師に読経を依頼することもできます。その場合は、葬儀社か菩提寺へ事前に依頼するようにしましょう。●お骨上げ火葬に立ち会った遺族でお骨上げをします。火葬後に残ったお骨を箸でつまんで骨壺に納める儀式です。箸でお骨を拾うのには、「あの世への橋渡しの思い」が込められているといわれています。
このような種類の葬儀そのものは以前からあり、経済的に余裕がない方のため、葬儀社が自社のプランにない葬儀として執り行っていました。その後、こうした葬儀に「直葬」という名称が与えられるようになり、さらに直葬や火葬式といったプランがインターネットなどでも広く発信されるようになり、認知度が高まりました。
出典経験者に聞いた、直葬・火葬式のメリットとデメリット – はじめてのお葬式ガイド | いい葬儀
火葬式(直葬)を選ぶ人は増えている
$amana_image: 火葬場のドア by アマナイメージズ
葬儀業者に対し,直近5事業年度の傾向として,葬儀の年間取扱件数に占める割合が増加傾向にある葬儀の種類について聞いたところ,「家族葬」が51.1%(554名)と最も多く,次いで「直葬」が26.2%(284名),「一日葬」が17.1%(185名)であった(表7-1)。
出典公正取引委員会(2017年)『葬儀の取引に関する実態調査報告書』
また,年間取扱件数に占める割合が減少傾向にある葬儀の種類について聞いたところ,「一般葬」が68.8%(473名)と最も多く,次いで「社葬」が24.3%(167名)であった(表7-2)。
出典公正取引委員会(2017年)『葬儀の取引に関する実態調査報告書』
その一方で、一般葬の割合は5.4%しか増加していないことがわかります。
$amana_image: お盆の迎え火 by アマナイメージズ
経済的な理由
$amana_image: 一面の一万円札 by アマナイメージズ
火葬式(直葬)では通夜、告別式を行いませんので、読経などの宗教的儀式にかかる費用や、祭壇や会葬者に対する接待の費用が必要ない分費用を大幅に抑えることができます。
出典葬儀をしないで火葬のみで見送る、火葬式(直葬)の費用相場や流れ|葬儀・葬式なら【よりそうのお葬式】
一般葬にかかる費用は平均121万円といわれています。
日本消費者協会の『第11回 葬儀に関するアンケート調査報告書』(2017年)によれば195.7万円とも。
直葬の場合は20万~30万円程で行えることから考えると、かなり費用を抑えられます。
葬儀には莫大な額のお金がかかるため、費用を大きく抑えられるのは非常に魅力的ですね。
心理的な理由
$amana_image: 悩むビジネスマン by アマナイメージズ
直葬は少人数で執り行われるため、参列者への対応や葬儀を手伝って下さった方へのご挨拶などが不要になります。
参列者への対応は思いのほか、精神面・体力面での疲労が大きいものです。火葬式(直葬)であればその心配はありません。
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参列してくれた方や弔問客への対応や葬儀の進行など、葬儀を行う時の遺族への心理的な負担は相当なものです。非常に少ない人数で行われるためにこういったストレスが少なくなります。
火葬式のデメリット
火葬式(直葬)は一般的に浸透している葬儀とは違った形式になるため、火葬式(直葬)をよく思わず、一般葬を執り行うべきだと考えている方は少なくありません。
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直葬の場合は、菩提寺を介さずに葬儀が行われるため、事前に知らせておかないと、後で菩提寺とトラブルになってしまい、先祖のお墓に納骨を許可してもらえないこともあります。
すべての葬儀社が直葬に対応しているわけではありません。対応してくれる葬儀社を調べ、事前に相談しておくことが大切です。中には金額設定を高めにしていたり、提示された金額には直葬を行うための十分な物品やサービスが含まれていなかったりといったことがあります。平均的な直葬の金額を頭に入れておきましょう。
こんな声も
「費用をおさえて欲しい旨伝えたら、態度が急に変わった。とても不愉快でした」
出典経験者に聞いた、直葬・火葬式のメリットとデメリット – はじめてのお葬式ガイド | いい葬儀
「領収書に“火葬プラン”となっているので、役所からお葬式ではないので、葬祭料は支給できないと言われました」
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「霊安室が必要になる場合があるので事前に知っておくと良い」
出典経験者に聞いた、直葬・火葬式のメリットとデメリット – はじめてのお葬式ガイド | いい葬儀
「火葬のみでもお悔みへ来る人も居るため、香典返しの準備は前もって必要」