お腹がパンパンになるのを防ぐ「腹八分目」の見分け方

長寿の人に共通する習慣として 「満腹まで食べずに、空腹感がなくなったら箸を置く」 ということがあります。

人間が長く生きるために働く長寿遺伝子のことを“サーチュイン”と言いますが、毎日の食事カロリーを7割に抑えることで、サーチュインを活性化し、老化防止、長生きにつながると金沢大学が発表しています。

食事を30％程度カットすることやファスティングすることで、ONモードに切り替わり、エイジングケア効果が期待できると言われています。

腹八分目の食事というのは、食事の量やカロリーをただ減らせばいいというものではありません。それでは、栄養不足になってしまう恐れもあります。一日30品目は食べるようにという話を聞いたことがあると思いますが、栄養バランスは十分に保った上で、食事量とカロリーを減らすのがコツなのです。

満腹の後「胃がスッキリしない・もたれる」「翌朝起きてもお腹がすかない」「普段より便通が悪い、便秘になる」なんて経験ありませんか？実は満腹になるまで食べてしまうと、それを消化する胃・小腸・大腸にまで負担がかかります。

暴飲暴食をしたり、にんにく、唐辛子など刺激の強い食品や脂肪の多い食品の食べすぎ、適量を超えたアルコールや炭酸飲料などによって、胃酸の分泌が乱れ、消化酵素を分泌するすい臓の働きも低下し、消化不良が起こりやすくなります。

消化器官が弱るのはあっという間ですが、回復には時間がかかるものです。

食べ過ぎは、体の環境を悪くするだけではなく、肌にも悪影響を及ぼします。

例えば消化を促進するために血液が集中するので、肌付近を流れる血液が不足、肌は栄養不足を起こしやすく、老廃物もたまりやすくなります。

また食べ過ぎや間食のし過ぎは、胃での消化吸収力が低下し、胃もたれなど胃のトラブルを招きやすくなります。

腹八分目の感覚とは、「もう少し食べたい」「少し物足りない」くらいの感覚です。

「もう少し食べたいなあ」と思うあたりが腹八分目の感覚ですが、一度自分の適量（1日の摂取カロリー）を確認してみるとよいでしょう。

この適量を知った上で、紙に書き出した食べた物を見てみると、「そんなに食べていないのに……」と思っていた方でも、食後にデザートを毎日食べていたとか、お砂糖たっぷりのコーヒーや清涼飲料水を意外にたくさん飲んでいたなど、気づくことがあります。

満腹感を出すセンサーは胃袋の上部付近にあるので、満腹サインは、10分ほど遅れて出される。

また新聞を読みながら、テレビを観ながらなどの、ながら食いは食べることに集中しないので、満腹のサインに気がつかず、必要以上に食べ過ぎてしまう恐れがあるので要注意。

早食い、何々しながら食いやダラダラ食いは大脳への満腹サインが遅れて食べ過ぎになります。

「まだ物足りない……」と思ったとしても、10分、20分と経つうちに、お腹が実はいっぱいになっていると気づくはずです。

よく噛んで食べると満腹中枢が刺激されて、食べ過ぎを防止してくれます。

よく噛んだり少量をずっと食べ続けていると、満腹中枢が刺激されて少量でもお腹が満たされる感覚になる。

食べるときは、よく噛むようにすると満腹中枢が刺激されやすくなります。満腹と感じるまでに時間がかかるとおり、早食いはもってのほか。ゆっくりと味わいながら、時間をかけて食べるようにしましょう。

アルコールには食欲を増進する働きもあり、食事を多くとってしまう可能性があります。

アルコールは麻酔作用によって脳をマヒさせ、「酔った」状態を作ります。

泥酔状態になるととくに食事の量を気にすることは難しくなっていくので、飲みすぎには気をつけてください。

食事は栄養バランスを考え、野菜を多めにして腹八分目を心がける。

腹八分目によるカロリー制限をする場合には、栄養バランスをくずさないように野菜を多くとる必要があります。

野菜の中には、カボチャやイモ類、大豆など、腹持ちのするものもたくさんあります。こうした野菜やキノコ類を積極的にメニューに取り入れると、カロリーを低く抑えることができます。