1か月経過して分かってきた「増税」の影響と問題点

消費税率が10％に引き上げられてから１か月

軽減税率制度の開始、そしてキャッシュレス・ポイント還元事業の実施など、飲食業界にとっては激動の1か月となった

今回の増税で初めて導入された軽減税率について、認知状況を確認したところ、97.7%とほぼ全員が「内容を理解している」または「名前は知っている」と回答

30万円の支出のなかで消費税増税の対象となるのは17万1,000円で、支出増は月3,420円

「（負担を）とても感じている」（20.7％）、「やや感じている」（37.1％）の回答が合わせて、過半数を超える結果だった

軽減税率やポイント還元が導入されたものの、消費者の節約志向は根強い

「今のところ目立った混乱があるという報告は受けていないが、円滑な実施を引き続きしていく必要がある」

「申請の登録待ちをしている企業が30万店ほどある中で、順調にポイントの付与が行われていると思う」

これまで消費増税を手がけた内閣は支持率を失い、政権を維持できなかった。安倍晋三政権による２度の税率引き上げは特筆される

ある老舗百貨店は「覚悟していたとはいえ、10月の売り上げは伸びず、いつまで影響が続くか心配」と話す

各社の減少率は「高島屋」が19.7％、「そごう・西武」が19.2％、「大丸松坂屋百貨店」が18.7％、「三越伊勢丹」が18.6％、「阪急阪神百貨店」が14.6％

「10％以上、売り上げが減少した」と答えたのは、大手のスーパーやデパート、家電量販店などが多くなっています

消費税率が10％に引き上げられた「外食」を控える動きが出て、食品の宅配サービスには追い風となっています

Bさんは増税前の9月、Cさんは増税後の10月に客足が減ったと話す。

軽減税率の適用外である”現金決済”や”外食”を避けている

スマートフォンを使った決済サービス、ＰａｙＰａｙで決済した回数が、消費税率が10％に引き上げられた先月、大幅に増加した

高齢者などからは決済のしかたやポイント還元の仕組みが複雑だといった声があがっています

店に設置するキャッシュレス決済の端末は全国的にメーカーへの注文が増えて生産が追いつかない状況

店内のイートインスペースで飲食する客に対して、10％の税率が適用されますが、利用客の間からは制度のわかりにくさを指摘する声も出ています

8%の税率で購入しておきながら、実際はイートインコーナーを利用して、その2%分の税率を逃れる「イートイン脱税」が問題に

イートイン利用時は食料品が軽減税率適用外となるため利用者に自己申告を求めているが、申告は少ない状況で、制度が浸透していない

「軽減税率」について、３分の１を超える企業が仕組みが複雑だとして見直すべきだと考えていることがわかりました

その理由を自由記述で尋ねたところ、ほとんどの企業が「複雑で理解しづらい」とか、「消費者にとってわかりにくい」などと仕組みの複雑さを挙げました

増税直前の9月に実施した調査と比べて肯定的な人が増え、否定的な人が減ったものの、制度の導入後も、否定的な人が肯定的な人を上回る結果